DM・新聞折込 反響の科学

第6回

今回は、新聞折込チラシによる販売促進に関しての最終回。実際に成功している新聞折込チラシのポイントは以下になります。


  1. 1.新聞折込チラシを入れる目的・目標が明確である
  2. 2.新聞折込チラシを入れる際の事前マーケティングができている
  3. 3.他社の新聞折込を研究し、自社のチラシの差別化がなされている
  4. 4.常に効果測定を実施し、折込エリア・掲載内容・特典を変化させている
  5. 5.「売り」を強めるチラシと、「認知」を促進するチラシに分類する

今回は上記5について考察を加えていきます。


5.「売り」を強めるチラシと、「認知」を促進するチラシに分類する  について


この考え方に関しては、解釈が分かれる部分であると思われますが、敢えて新聞折込チラシの効果を最大化させるために、項目化しました。


詳細に説明していきますと、
「売り」を強めるチラシ=直接的な販促効果を上げる(売上UP)ためのチラシ
「認知」を促進するチラシ=ブランディング効果を高めるためのチラシ
という説明ができるかと思います。


■「売り」を強めるチラシに関して


例えば、皆さん、日用品以外の新聞折込チラシを想像してみてください。毎週のように新聞折込チラシが入っていて、そのチラシが毎回のように格安を謳っているチラシだったら、どのように感じますか?


・最初の数回

安売りをしているようなので、ちょっとのぞいてみようかしら

・回数を重ねると

毎回同じようなセールをやっているのね。集客できていないのかしら

・さらに重ねると

見ないチラシとして捨てられる


このような感じでしょうか。


上記の例は極端かもしれませんが、毎回同じように「売り」が強い新聞折込チラシを入れることにより、それが当たり前、自然になってきますので、その効果は次第に縮小され、最後には効果がなくなってしまいます。ですので、新聞折込チラシの効果を上げるためには、数回に1回のペースで、「売り」を強める必要性があります。


■「認知」を促進するチラシに関して

これは、上記のような「売り」の強い新聞折込を入れた際の効果を最大限に上げる効果と共に、毎回継続的に、かつシリーズ化して販促展開することで、その効果を長期的にアップさせる効果が期待できます。


例えば、これは一つの成功事例ですが、以前、ある携帯電話の併売店で新聞折込チラシを作成していたのですが、そのときの戦略としては、毎回、シリーズ化して掲載する内容を決めて、月に2回、折込チラシを入れ続けました。


  • その掲載内容は
  • ・あなたの撮った携帯ベストショット
  • ・携帯何でもQ&A
  • ・地域の面白情報
  • ・主婦の生活マル得情報

などで、必ずシリーズ化して、連載していきました。そうすることで、次第に次の回も見るようになり、お店の認知が上がっていきました。


そして数回に1回は、売り出しメインの新聞折込チラシを入れるようにしました。そうしたところ、「売り」強い広告を入れた週末の販売台数は、通常の2倍以上になりました。


そしてこれを繰り返すことで、店舗認知が上がり、日々の販売台数も増加して、売りの強いチラシを入れなくても、普通のチラシを入れるだけで、販売台数が増えてくるようになりました。そうすると、無駄な割引をしなくても携帯電話が売れるようになりますので、結果、利益が増大しました。


以上のように、新聞折込チラシは、使い方によって売上効果、利益効果の高い販売促進手法になるのです。ただし、そこには数字的な根拠や、綿密な戦略の落とし込みが必要であり、昔のように数打ちゃ当たる的な発想では無駄に販促費を使うことになってしまいます。ですので、しっかりと計画をたて、効果測定を実施しながら、あるべき姿の新聞折込チラシ販促を実施していく必要性があるのです。