看板で変える 7秒集客ルール

看板デザイン術

看板デザインを考える視点

看板のデザインによって、その効果は大きく左右されるにも関わらず、看板デザインに無頓着なオーナー・店長が多いのではないだろうか?
もし、今まで、「どのようなデザインにすれば、より効果が高い看板になるのであろうか」ということを真剣に考えたことがない場合は、看板のデザインを見直すことで、集客力が大きく伸びる可能性があるかもしれない。

看板デザインを考える視点には、次のようなものがある。

(1) サインの「形(フォルム)」

看板の形を選ぶには、形のもつ心理的効果と、看板を設置する場所の環境を考慮する必要がある。円は優しさやおおらかさ、柔らかさなどをイメージさせ、三角は個性やスピード、四角は真面目さや固さ、落ち着きなどをイメージさせる。人は形状によって認知する傾向が強いことから、周辺に四角い看板の多い場所では円形の看板を選択するなど、周辺環境によって形を選ぶ必要がある。
その他、楕円形やキャラクター(例えば犬や猫など)の形を切り抜いた変形の看板など、いろいろな工夫によって認知度を高めることができる。

(2) サインの「色」

色彩が人の心理に与える影響を考えて、サインは作る必要がある。色には、「親近感を抱かせる色」「よそよそしさを感じさせる色」「食欲を増進させる色」「食欲を減退させる色」「目に飛び込んでくる色」「後退するように感じる色」…など、人の心理に影響を与えるものがあるのだ。また、同じ色でも、色使いや濃淡の違いによって、意味が異なってくる。例えば「赤」ひとつとっても、「高級感を感じさせる赤」「カジュアルさを演出できる赤」「衝動買いや店の回転率を高める効果がある赤」「商品を際立たせて演出できる赤」など、様々な意味を持たせることができる。お店の営業コンセプトに合わせて、色は使う必要があるのである。店舗側の好みだけで色を決めると、多くの場合、コンセプトとは異なるサインが出来上がり、来店する客層そのものが変わってしまうので、注意が必要である。サインの色を決定する時は、プロのノウハウを活用することが望ましい。

(3) サインの「書体」

書体だけで、「固いイメージ」「柔らかいイメージ」「高級なイメージ」「カジュアルなイメージ」「若者向けのイメージ」「年輩向けのイメージ」などを表現することができる。そのため、サインの書体は、店舗に来店する客層にあったものを選ぶ必要があるのだ。
また、書体を写真やイラストと組み合わせることで、さらに複合的なイメージを演出できる。書体を選ぶ時は、他のデザイン要素とのバランスを考えなければならない。

(4) サインの「矢印」

お店や駐車場への誘導には「矢印」が大きな効果を発揮する。矢印は指示記号として、人の行動を直接コントロールするほか、深層心理に働きかけて知らず知らずのうちに矢印方向に意識や行動を誘導する。
太い矢印は強い意志を表し、細い矢印は弱い意志を表すので、太いほど誘導効果が大きくなる。
また、きちんとした誘導は人に安心感を与えることができる。「矢印は太く大きく、斜め下に向けて動きのある変化をもたせて」が矢印のデザインの基本になる。

(5) 「キャラクターやロゴマーク」


不動産業や銀行、病院など固いイメージの業態には、ぜひ採用したいデザイン要素である。
動物や漫画などのキャラクターを使うと、固いイメージをやわらかく親しみやすいイメージに変えることができる。
また、しっかりとデザインされたロゴマークと組み合わせると、信頼感と同時に親しみやすさが生まれる。
ただし 飲食関連の店舗では、特に動物のリアルなキャラクターを使うと、食材の美味しさよりも動物のイメージが強調され、逆効果になるので注意が必要である。

(6) サインとブロック認知

人は形・色・書体など、看板デザインの要素を一体として認知(ブロック認知)する。
認知度を上げるためには、店名と業態、お店の特徴など関連する情報をまとめて統一したデザインで表現することが必要である。
設置している看板の色や形がまちまちであったり、情報が分散されてまとまりのない状態になっている店舗をよく見かけるが、色彩や他のデザイン要素を統一し、お店からの情報を統一する作業を行うことによって、認知度だけでなくお店の存在感を飛躍的に高めることが可能である。

(7) 地域、年代

それぞれの地方や国によってデザインに対する感性は違ってくる。これは地域や国で培われてきた特有の文化が色やデザインの好みを決定するからである。
地域によって、あるいは世代によって、さらにはお客様の育った時代や環境によって、デザインの好みは変わるということを充分に認識する必要がある。
例えば、同じラーメンでも関東では赤地に黄色の文字、大阪では黄色地に赤い文字の方が「ラーメンらしさ」を感じるようだ。
色彩の使い方ひとつでも、地域によって"好感度"が異なる好例である。特にチェーン展開を行う企業は、色の感じ方については地域によって様々であることを前提に、色彩・書体を考えたサインプランを計画することが必要である。